蜂の巣駆除コラム
土の中に巣を作るジガバチは、巣の出入り口を塞ぐなどの方法で自力で駆除することも可能です。しかし、比較的穏やかな性格とされるジガバチも、巣の駆除作業などで刺激を受けると攻撃してくる危険性があるため、十分な注意が必要です。
この記事では、自力駆除の手順と服装や必要な道具などについて具体的に解説します。さらに、専門業者に依頼する場合の選び方、ジガバチの生態、巣を放置するリスクについても詳しく紹介します。
目次
ジガバチは土の中に巣を作るため、巣の出入り口に土をかぶせて塞いでしまえば自分でも駆除可能です。より確実に駆除するのであれば、殺虫スプレーの使用がおすすめです。巣穴を網で塞ぎ、殺虫スプレーを噴きかけましょう。
ジガバチの巣は入り口は狭く、奥に行くにつれ広がっていきます。殺虫スプレーを使って自分で駆除を行う際は、次のような点に注意が必要です。
以下で詳しく説明します。
ジガバチを含む蜂の巣を駆除する際は、ピレスロイド系を含む殺虫剤を選ぶのがポイントです。スプレーの表示にピレスロイドと記載されていることを確認しましょう。
ピレスロイド系の成分は蜂に対して即効性が高い上に、人体への影響が少ないとされています。小さい子どもがいる家でも使いやすいでしょう。
ピレスロイド系の主な成分として、以下が挙げられます。
ジガバチは比較的穏やかな性格の蜂ですが、巣の駆除によって刺激を受けると、刺してくることもあります。刺されるのを防ぐためにも、駆除を行う際には長袖、長ズボン、手袋を着用して肌の露出を抑えましょう。蜂に対する防護服があれば理想的ですが、ない場合はレインコートでも代用可能です。襟元に隙間があれば、タオルで埋めましょう。隙間が空いているとジガバチに刺される恐れがあります。
服装を選ぶ際は色にも注意が必要です。蜂は一般的に黒を攻撃対象と認識します。そのため、明るめの服装を心がけましょう。
色に加えて匂いも蜂を刺激する要素です。香水や整髪剤のように強い匂いを発していると、蜂に襲われやすくなるため注意しましょう。
ジガバチの巣を自力で駆除するのであれば、網目の細かいネットを用意しておきましょう。網目が粗いと、巣の出入り口を網で塞ごうとしても、目の隙間から巣の中の蜂が逃げ出してしまいます。網目の細かいネットが用意できなければ、虫取り網も活用可能です。
前述の通り、ジガバチの巣は自力で駆除できますが、蜂に襲われる可能性があります。また、巣が大きい、どこに巣があるのか分からないといった場合は自力での駆除が困難です。
自力での駆除に不安がある場合は、専門の業者に駆除を依頼するのがおすすめです。ジガバチの巣を駆除する業者選定の際は、次のようなポイントを押さえておきましょう。
ジガバチの巣の駆除を業者に依頼する場合、どこのエリアを対象にしているか確認が必要です。
自宅周辺を対象エリアとしているかどうか確認するには、地域名+蜂の巣駆除でインターネット検索してみましょう。また、市区町村によっては、ホームぺージで蜂の巣駆除業者を紹介しているケースもあります。
ジガバチを含む蜂の巣駆除に対応している業者は複数あります。詳細な料金は業者によって異なるため、複数の業者に相見積もりを取ってから依頼しましょう。複数の業者から見積もりを取れば、相場が判断しやすくなり、適切な料金を提示している業者に依頼できます。
なお、基本的にいずれの業者も、蜂の巣駆除にかかる料金の内訳は次の通りです。
相見積もりを取ると、どの業者の料金が高いか、どの業者の料金が安いかが見えてきます。
人によっては料金を抑えようと一番安い業者を選ぶかもしれません。しかし、相場を大きく下回るような、安過ぎる業者への依頼は避けたほうが良いでしょう。中には、見積もりでは安くても、実際の作業を終えた際に相場を上回る追加料金を請求する業者も存在するため注意が必要です。
ジガバチは、巣を駆除してもまた同じ場所に戻ってくることのある蜂です。再び戻ってくるジガバチは戻りバチと呼ばれ、放置すると再び巣を作ってしまいます。
専門業者に巣の駆除を依頼するのであれば、戻りバチに対応するアフターフォローがあるのかを確認しましょう。
ジガバチの巣を専門業者に駆除してもらう場合、業者の過去の実績や口コミの確認も大切です。過去の実績が豊富な業者であれば、専門的な知識に基づく作業が期待できるでしょう。
口コミの中には、作業員やコールセンタースタッフの対応品質について記載しているものもあります。過去の実績や口コミを参考にしながら、作業スキルや対応品質が期待できる業者を選びましょう。
ジガバチの巣を駆除するのであれば、どのような蜂であるのか生態を把握しておきましょう。ここでは次のポイントに沿って、ジガバチの生態を紹介します。
スズメバチやアシナガバチ、ミツバチなどは、集団で生活する社会性のある蜂です。一方、ジガバチは群れを作ることなく、単独で行動するのが一般的な非社交性の蜂です。巣は、卵の孵化から成長までの間使われるだけであり、スズメバチやアシナガバチのように、巣の中に多くの成虫が生活しているわけではありません。ジガバチの成虫は、単独行動しながら蜘蛛やアオムシを狩って生活しています。
ジガバチは土の中に巣を作るのが特徴です。一般的に、土や外壁などから好みの場所を探し出して、穴を掘って巣を作り始めます。特に家の庭の土、草が点在している荒れ地などが巣作りの場所として好まれるようです。
ジガバチは巣の中に狩った獲物を運ぶと、その上に卵を産み付け、砂利や石で巣穴にふたをして飛び去ります。親が再び巣に戻ることはなく、前述の通り巣は卵が成虫になるまでの期間だけ用いられます。
ジガバチは体色、体形にも特徴があります。蜂というと黄色地に黒の縞模様のイメージが強いですが、ジガバチの体色は全体的に黒く、お腹の部分に黄色やオレンジの模様が入っています。また、胴体に非常に細い部分がある点も、ジガバチの特徴です。
体色が黒い蜂はジガバチに限りません。攻撃性の強いクロスズメバチも黒い体色です。ジガバチと勘違いしないためにも、体色だけでなく体形も見て判断しましょう。
ジガバチはオーストラリアやヨーロッパ、日本などに生息している蜂です。日本には、次の通りいくつかのジガバチの種類が存在しています。
ここではそれぞれのジガバチの特徴について解説します。
アメリカジガバチはアメリカ大陸からやってきたジガバチです。体長2〜2.5cmで、本州から九州まで広く生息しています。
体長1.5~2cmで、北海道から沖縄まで全国に生息しているのがモンキジガバチです。主に餌としているのは、ハエトリグモのような徘徊性の蜘蛛です。
タイワンモンキジガバチもアメリカジガバチのように、海外から日本にやってきた定着したジガバチです。似ている蜂として挙げられるのがヤマトルリジガバチです。
ジガバチの多くは黒い体色が特徴ですが、ヤマトルリジガバチは光沢のある青い体色が特徴です。飛行している際は黒く見えるものの、止まると鮮やかな体色を確認できます。ヤマトルリジガバチは1.5~2cmほどの体長です。
体長2~2.8cmのジガバチがキゴシジガバチです。この蜂は南西諸島から本州南部地域に生息しています。しかし、アメリカジガバチがアメリカから入ってきて以降、個体は減少傾向にあり、絶滅が危惧されています。
ジガバチの中でも比較的大型な個体がミカドジガバチです。体長は2.3〜2.7cmほどとされています。体長が大きいため、捕獲する餌もシャチホコガ類と大きな幼虫です。
サトジガバチは全国的に見られる個体で、ジガバチを代表する蜂です。北海道や本州などに生息していて、体長は1.7~2.7cmほどです。サトジガバチは蛾の幼虫を狩ります。獲物を狩ると、1匹だけを巣に運び込むのが習性です。
フジジガバチは体色が黒く、メスは腹の多くの部分と脚が赤褐色、オスは腹部の下部のみが赤褐色になっています。体長は2.5~3.5cmで本州から沖縄まで生息しています。
ジガバチの巣の駆除に取り組む際には、ジガバチの危険性や刺されたときの対処法についても把握しておきましょう。
ジガバチはスズメバチと異なり、攻撃性が低く、自ら人を襲ってくるようなリスクの少ない蜂です。しかし、巣の駆除などで刺激を受けると攻撃性が高まり刺してくる可能性があります。
ジガバチも他の蜂と同じく針を持っているため、刺されると痛みやかゆみなどが生じます。万が一、ジガバチに刺された場合は次のような対応を取りましょう。
それぞれの対応について詳しく解説します。
ジガバチに刺された場合、最初に行うべきは、刺された場所から離れることです。ジガバチは自衛のために攻撃することが多いため、刺された直後はその場所に留まらないようにしましょう。焦らず、冷静にその場を離れ、安全な場所に移動することが重要です。
刺された部分は速やかに水で洗い流しましょう。刺された場所をつまむことで、毒を絞り出せるので、水で洗い流します。口で毒を搾り取ろうとすると、毒を吸い込んでしまう恐れがあるので、避けましょう。
ジガバチに刺されると、痛みやかゆみが生じることがあります。痛みやかゆみを軽減するためには、抗ヒスタミン剤の使用が有効です。抗ヒスタミン剤は、アレルギー反応を抑える働きがあり、かゆみや腫れを軽減してくれます。市販されているかゆみ止めの塗り薬や内服薬を使用すると良いでしょう。
刺された場所を冷やすことも効果的です。氷や冷却シートを使って患部を冷やすことで、腫れや痛みを軽減できます。患部を冷やすのであれば、直接氷を肌に当てないようにタオルで包んでから使用しましょう。
ジガバチに刺され、上記の応急処置を施しても症状が改善しない場合には病院を受診しましょう。また、かゆみや吐き気、めまいなど体調に異常があれば、皮膚科もしくはアレルギー科を受診してください。
ジガバチの巣を放置していると、次のようなリスクにつながることがあります。
先述の通り、ジガバチは攻撃性が低いため、刺激しない限り刺されるリスクは少ない蜂です。ただし、気づかずにジガバチに近づいてしまい、被害に遭う可能性もあるため、できる限り駆除することをおすすめします。特に小さな子どもがいる場合には、早めの駆除を検討しましょう。
ジガバチの巣を放置し、万が一近隣住民がジガバチに刺されてしまった場合、法的責任を問われる恐れもあるため注意が必要です。
民法では建物の所有者に管理責任があるため、蜂の巣を放置していたことで損害賠償請求につながる可能性があります。思いがけない賠償を避けるためにも、早めに駆除を進めましょう。
ジガバチの巣を発見したら放置せず、早めの駆除がおすすめです。ジガバチの巣は自力で駆除できるため、ピレスロイド系の殺虫剤を選ぶ、服装や匂いに注意するなどのポイントを押さえて進めましょう。しかし、ジガバチの巣がどこにあるのか分からない、蜂に襲われるのが心配といった場合は専門業者に依頼するのが大切です。専門業者に依頼する際は相見積もりを取って、適切な料金を把握しておきましょう。
専門業者に依頼するのであれば、「蜂の巣駆除PRO」にご相談ください。「蜂の巣駆除PRO」はどのような種類の蜂であっても、またどのような場所にできた巣であっても、適切な知識に基づいて駆除を進めます。予算に応じて施工を進めるため、料金に不安があるといった方もぜひご連絡ください。