蜂の巣駆除コラム
木酢液(もくさくえき)は、自宅で使える蜂対策アイテムの一つです。
蜂が自宅付近を頻繁に飛び回っている場合、放置していると近くに巣を作られる恐れがあります。蜂が巣を作ると、自宅付近を多くの蜂が飛び回るようになり、危険です。そのため、一匹でも見つけたら木酢液などを使用し、早めに対処することが大切です。
この記事では、木酢液が蜂よけに効果的な理由を詳しくご紹介します。さらに、木酢液の具体的な使用方法や注意点についても解説します。蜂の対策を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
木酢液とは、木材を高温で加熱して炭にする際に発生する煙を、冷やして液体にしたものです。ホームセンターなどでも購入できます。
木酢液の活用によって期待できる効果は、虫よけや殺菌、消臭などです。
なお、木酢液はほとんどが水で構成されている他、次のような成分も含まれています。
木酢液と似たような液体として竹酢液が挙げられます。両者は同じような成分で構成されているものの、次のような違いがあります。
液体 | 原材料 | 特徴 |
木酢液 | 木材 | 安価で購入可能 |
竹酢液 | 竹 | 採取量が少ないため高額 |
木酢液 | |
---|---|
原材料 | 木材 |
特徴 | 安価で購入可能 |
竹酢液 | |
---|---|
原材料 | 竹 |
特徴 | 採取量が少ないため高額 |
木酢液は蜂の駆除に用いられるだけでなく、次のような場面でも用いられます。
蜂の駆除以外で木酢液を用いる代表的なケースが、農業での活用です。
農業で活用することで、以下のような効果が期待できます。
木酢液には消臭効果があり、日常生活でも使われています。例えば、木酢液を水で薄めるとペットの臭い消しとして利用できます。飼っているペットだけでなく、自宅に来る野良猫除けとしても活用することが可能です。
木酢液は入浴剤としても活用されており、実際に商品化されています。木酢液をお風呂に入れると、体が温まりやすくなり、代謝が活発になるとされています。また、かゆみや肌の乾燥を和らげる効果も期待できるため、入浴剤として利用されています。
木酢液が蜂の撃退に効果的な理由は、独特の「燻臭(くんしゅう)」と呼ばれる匂いがあるためです。蜂はハッカやハーブなどの匂いを嫌う傾向があり、同様に、木酢液の燻臭も蜂が嫌う匂いの一つです。
そのため、木酢液の燻臭を感じ取ると、蜂は本能的に危険を察知し、その場から立ち去ろうとするのです。
木酢液を蜂対策に用いる際は、次のような点に着目して選びましょう。
木酢液を選ぶ際に、日本木酢液協会による認証マークが付いているかどうかに注目しましょう。認証を得ているということは、製品の製造設備や製造方法が協会の定める厳格な基準を満たしている証です。
認証された製品は品質が保証されているため、安心して使えます。
蜂対策の効果を上げるためには、色に濁りがない、純度の高い木酢液を使用することが大切です。使用前に以下のポイントを確認しましょう。
認証マークが付いている木酢液を購入できなかった場合、原材料や規格が明記されている液体を購入しましょう。
例えば、広葉樹であればカエデやクヌギ、針葉樹であればスギ、マツなどを原材料としている木酢液がおすすめです。
なお、原材料が明記されていたとしても、以下のような木酢液は日本木酢液協会の認証対象外となるため、注意が必要です。
原材料だけでなく、木酢液の規格も確認しておきましょう。一般的には、酸度が2%~12%の木酢液は品質が良く、蜂対策にも効果的であると言われています。
木酢液は次のように正しい使用方法で蜂対策に活用します。
木酢液は原液のままではなく、水で薄めて使う必要があります。蜂対策の場合は、木酢液と水を1対1の割合で混ぜて使うと効果的です。
「濃度が濃い方が効果が高い」と考えて希釈せずに使うと、周囲の植物に悪影響を及ぼす可能性があります。
希釈した木酢液は以下のように、場所に応じた方法で使用しましょう。
蜂は軒下や天井裏に営巣することがあります。軒下や天井裏で蜂の巣を見つけた場合は、希釈した木酢液を霧吹きに入れて散布しましょう。
散布する際は濃度に注意が必要です。濃度が高いと酸性が強いため、壁や金属を傷める恐れがあります。
ベランダも雨風が凌げるため、蜂が好む場所です。ベランダから蜂を追い払いたいときは、水で薄めた木酢液をバケツに入れて置いておくと良いでしょう。長時間そのままにしておくと効果が薄れるため、1カ月に一回を目安に中身を交換しましょう。
なお、ベランダにバケツを置く際は、洗濯物に独特の匂いが移る可能性があるため、注意が必要です。匂いが気になるようであれば、濃度を薄めて、独特の匂いを抑えましょう。
蜂が庭に巣を作っていたり、庭に飛んできている場合は、ペットボトルの上部に穴をあけて木酢液を入れ、設置しましょう。設置する際はペットボトルが転倒しないように、針金などで木や柱に取り付けておきます。
なお、木酢液は時間の経過とともに蒸発するため、量を確認し、必要に応じて追加しましょう。
木酢液を使って蜂を駆除する際は次のような点に注意しましょう。
木酢液を保存する際は直射日光を避けるのがポイントです。直射日光の影響を受けると、劣化して十分な効果が期待できません。そのため、保存する際は直射日光が当たらない場所で保存しましょう。
また、木酢液を保存するときは、子どもやペットの誤飲を避けるため、なるべく目に付かない場所に保存しておきましょう。
木酢液は酸性のため、アルカリ性水溶液と混ぜないようにしましょう。両者を混ぜると中和され、効果が弱まります。具体的には、せっけん水や水酸化ナトリウム水溶液、石灰水とは別の場所で保存することが大切です。
木酢液は水に溶けやすく、揮発しやすい性質があるため、雨の日に使用すると、蜂よけの効果が弱まります。
また、風の強い日の使用も避けましょう。風が強いと散布した液が流れ、効果が弱まる可能性があります。さらに、近隣に木酢液の強い匂いが広がるかもしれません。
木酢液をバケツにためて使っている場合なども、雨風によって木酢液に不純物が混ざる恐れがあります。
木酢液は、適した時期に設置・散布することも大切です。一般的に、蜂よけ対策を行うタイミングは、女王蜂が巣作りを始める4月~5月ごろが良いと言われています。蜂が巣作りで自宅へ近づくのを防ぐためにも、木酢液は春先に設置・散布するのがおすすめです。
木酢液は蜂が嫌う匂いを発するため、巣を作らせない、寄せ付けないといった効果が見込めます。ただし、木酢液には殺虫効果がないため、蜂に直接吹きかけても駆除することはできません。
蜂を自宅に寄せ付けない方法は木酢液に限りません。次のような方法でも蜂を撃退できます。
ハッカ油は木酢液のように、蜂が嫌う匂いがします。木酢液の代わりに市販のハッカ油を使用することで、蜂を寄せ付けにくくする効果が期待できます。
ただし、ハッカ油は木酢液よりも効果が弱いため、小まめに使って効果を保ちましょう。
ミントやレモングラスにも、ハッカ油と同じメンソール成分が含まれています。プランターや鉢で育てて庭に置くことで、蜂が寄り付きにくくなります。
3つ目は、燻煙剤(くんえんざい)を使用する方法です。
燻煙剤は薬剤の一種で、加熱によって煙状の薬剤を散布させる仕組みです。一般的には殺虫剤として市販されており、蜂対策としても使用できます。
ただし、燻煙剤は閉鎖された空間でないと十分な効果が期待できません。ベランダや軒下での使用には適していないため、注意しましょう。
トラップを使用するのも効果的です。トラップはホームセンターやドラッグストアで購入できる他、自作する方法もあります。
蜂の巣作りを防ぐためには、巣作りが始まる前(3月〜5月ごろ)にトラップを設置するのが効果的です。特に女王蜂を捕獲すれば、巣作りの本格化を防ぐことができます。
なお、トラップは蜂をおびき寄せて捕獲する道具のため、人が通る場所には設置しないことが大切です。また、蜂が活発化する6月~10月ごろに設置するのは避けましょう。蜂が多く集まり過ぎる可能性があり、危険です。
蜂を遠ざけたい場合には、殺虫剤を使用するのもおすすめです。殺虫剤を吹き付けることで、蜂を駆除することが可能です。また、蜂が巣を作りそうな場所に殺虫剤を散布しておけば、巣作りを防止できます。
ただし、蜂が活発化する時期などに殺虫剤を使用すると、刺される危険性が高まります。無理はせず、不安なときは専門の蜂駆除業者に相談するのがおすすめです。
木酢液をはじめとした蜂対策を行うときは、蜂を刺激しないことがポイントです。次のようなポイントを押さえておきましょう。
蜂の駆除に取り組む際は、落ち着いた行動を心掛けましょう。例えば、巣作りを防止するために木酢液を天井裏や軒下に吹きかける場合には、蜂に遭遇する可能性があります。このようなときに慌てて動くと、蜂に攻撃される恐れがあります。静かに後ずさりして、その場を離れましょう。
蜂対策に取り組むときは、服装にも注意が必要です。もちろん、服装を工夫しても蜂に襲われるリスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、蜂の特性を考慮し、蜂駆除に適した服装を身に着けることで、刺されるリスクを減らすことは可能です。
具体的には、次のような服装は避けましょう。
黒い服や茶色い服などは避け、全体的に白っぽい服を着用しましょう。なお、蜂の中でも、特にスズメバチやアシナガバチは黒い服に反応しやすい傾向にあります。
スズメバチのように、動くものに敏感に反応する蜂は多いです。フリルが付いているものやスカートなど、ヒラヒラした服を着るのは避けましょう。
肌の露出が多い服を着ていると、どうしても蜂に刺されやすくなります。蜂対策に取り組む際は、なるべく肌を出さない服を選びましょう。長袖・長ズボンを着用し、帽子を被って頭を刺されないようにするのがおすすめです。
蜂は匂いに敏感な生物です。木酢液やハッカ油のように、蜂が嫌う匂いもあれば、蜂が近づいてきやすい匂いもあります。
体から強くて甘い香りがすると、蜂を寄せ付ける恐れがあります。蜂の駆除や蜂よけの対策を取るときは、香水や香りの強い制汗剤などは使用しない方が良いでしょう。
木酢液やハッカ油などで蜂を駆除するのに加えて、日頃から蜂を寄せ付けないような対策を講じておきましょう。
蜂を寄せ付けない対策は主に次の通りです。
蜂は直射日光を避ける傾向があるため、庭に木陰が多いと巣を作りに来ることがあります。庭の草木を剪定して、できるだけ日光が当たるように整えましょう。
また、古い段ボールや家具など、蜂の隠れ家となるようなごみは庭に放置せず処分しましょう。同様に食べ残し、飲み残しなどのごみも蜂を寄せ付けかねないため、すぐに片づける必要があります。
蜂の巣を作らないためには、巣作りに適した場所を定期的にチェックしましょう。次のような場所は定期的なチェックが肝心です。
数週間に一回を目安に、定期的に目視で確認して巣が作られていないか、蜂がいないかをチェックしましょう。巣作りを早期に発見できれば、駆除にかかる負担を軽減できます。
家に隙間があると蜂が入り込んで巣を作る恐れがあります。そのため、隙間を見つけた場合は、次の方法で塞ぎ、蜂の侵入を防ぎましょう。
木酢液には蜂を寄せ付けにくくする効果がありますが、既に巣が作られてしまった場合には効果が期待できません。無理に近づかずに、専門家へ相談しましょう。
相談先として挙げられるのは以下の通りです。
自宅や自宅付近に蜂が巣を作ったときは、まずは自治体の窓口に相談してみましょう。蜂の種類によっては自治体が巣の駆除に対応してくれます。また、駆除に必要な器具を貸し出してくれる自治体もあります。
巣の駆除、もしくは駆除用具の貸出しに対応している自治体と対応の例は、以下の通りです。[注1][注2]
自治体(一例) | 対応(一例) |
松戸市 | スズメバチやアシナガバチの巣の駆除 |
八王子市 | 駆除用具の貸出し |
自治体(松戸市) | |
---|---|
対応(一例) | スズメバチやアシナガバチの巣の駆除 |
自治体(八王子市) | |
---|---|
対応(一例) | 駆除用具の貸出し |
ぜひ、自宅がある地域の自治体がどのように対応しているかを確認しましょう。
[注1]松戸市「ハチの巣駆除・相談について」
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/suguyaru/hachinosu_taiou.html
[注2]八王子市「ハチの巣の駆除について」
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/life/004/001/a478925/p002796.html
蜂の巣を駆除する場合、蜂駆除業者への相談も検討しましょう。蜂駆除業者は専門的な知識を持っているため、適切な方法での駆除が期待できます。
蜂駆除業者に依頼するメリットは次の通りです。
蜂駆除業者に蜂の駆除や対策を依頼すれば、蜂に刺される危険を回避することが可能です。
木酢液などを用いて蜂駆除や蜂の巣駆除を進める場合、自身が刺される危険があります。蜂に刺されると、人によってはアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。重度のアナフィラキシーショックを起こすと、命に関わる恐れもあるでしょう。
蜂駆除業者に蜂の駆除を依頼すれば、自力で作業する必要がなくなるだけでなく、適切な方法で巣を取り除いてもらうことができます。
蜂駆除業者の多くは、蜂の種類を問わず駆除に対応しています。自分で駆除するのが難しい種類の蜂であれば、蜂駆除業者に対応可能かどうかを確認してみると良いでしょう。
なお、自治体の蜂駆除は、スズメバチやアシナガバチなど、特定の蜂の巣しか対応していないケースが多いです。
蜂に関する専門的な知識を持つ蜂駆除業者であれば、戻り蜂対策も講じてくれるでしょう。
戻り蜂とは、巣を駆除した後で同じ場所に戻って来る蜂のことです。蜂が再び同じ場所に巣を作ることがないよう、蜂の巣の駆除は蜂駆除業者に依頼することをおすすめします。
蜂駆除に対応している業者は多いため、以下のような点に注目して選びましょう。
業者を選ぶ際は過去に実績や口コミをチェックしてみましょう。実績が豊富な業者はさまざまな駆除現場を経験しているため、状況に応じた対応が期待できます。
また、口コミの確認も重要です。作業内容や料金に納得できたかどうか、アフターフォローが適切だったかなどを口コミで確認しましょう。
適切な価格で蜂駆除を行っている業者を選ぶことも大切です。
悪質な業者に蜂駆除を依頼すると、相場よりも大幅に高い料金を請求されるかもしれません。もちろん、サービス内容や料金設定は業者によって異なります。適切な価格を把握するため、事前に複数の業者から見積もりを取っておくのがおすすめです。
蜂の駆除対策には、木酢液が効果的です。ホームセンターなどで手軽に購入できる木酢液は、蜂が嫌う匂いを発するため、蜂を寄せ付けにくくする効果が期待できます。
木酢液以外にもハッカ油や燻煙剤などには蜂を寄せ付けにくくする効果がありますが、殺虫効果はありません。また、既に巣が作られてしまった場合には、これらの方法では効果が期待できません。そのため、蜂の巣ができてしまった場合は、専門業者に駆除を依頼しましょう。
「蜂の巣駆除PRO」はさまざまな蜂の巣駆除にも対応しています。さらに、どのような場所にできた巣の駆除にも対応が可能です。木酢液だけでは蜂の駆除に対応できなかった場合や、蜂の巣を作られた場合は、ぜひ「蜂の巣駆除PRO」にご相談ください。