フタモンアシナガバチ
フタモンアシナガバチの巣駆除
窓やドアの外側にある装飾部分
25,000円
日が落ち、辺りが柔らかな夕闇に包まれる頃、私は広島県安芸高田市高宮町へと急行しました。穏やかな日差しの名残が微かに空を染め、湿り気を帯びた暑さが肌にまとわりつく中、フタモンアシナガバチの巣が発見されたとの報を受けての出動です。窓やドアの外側にある装飾部分に、テニスボールほどの大きさの巣が潜んでいると聞き、緊張とともに心地よい使命感が胸を満たしました。
フタモンアシナガバチは、二つの紋様でその名を馳せる蜂であり、その鮮やかな黄色と黒の縞模様は、自然界において警戒の象徴とも言える存在です。彼らは他のアシナガバチに比べて比較的穏やかで、通常は人間に対して攻撃的ではありません。しかし、巣に近づく者に警戒心を示し、防衛本能が働くとその行動は一変します。慎重さと迅速さが求められる作業に、私ともう一人の作業員は心を一つにしました。
到着までの3時間、お客様はどれほどの不安を抱えていたことでしょう。60代の男性、家族と共に穏やかな生活を営むその声には、心配と少しの苛立ちが混じっていました。25000円という費用に対してコストパフォーマンスが悪いと感じられることも理解できます。家族の安全を守るための出費とはいえ、大きな負担であることは否めません。
日の入り直後のほのかな明かりの中、私たちは作業に取り掛かりました。テニスボールほどの巣は、夕闇の中で静かに息づいていました。蜂たちはまだ活動をし始める前の時間帯、私たちはその隙を突くように慎重に巣に近づきます。防護服に身を包み、手際よく駆除作業を進める中で、自然と人間の共存の難しさを改めて感じました。
作業は1時間もかからずに終了しました。巣を取り除き、周囲に残った蜂たちを安全に処理した後、私たちは一息つきます。お客様は安堵の表情を浮かべ、ようやく訪れた静寂をしみじみと味わっている様子でした。しかし、その満足度は必ずしも高くはなかったようで、費用に見合う価値があったかどうかについての疑念が残っているようでした。
それでも、私たちの仕事は終わりを告げました。一つの巣がなくなり、一つの家庭に再び平穏が訪れました。自然との共生を考える中で、時にはこのような対処が必要であること、そしてそれに携わることの責任と意義を改めて心に刻みました。ご依頼いただき、ありがとうございました。