駒ヶ根市南田の蜂の巣駆除事例

僕は、長野県駒ヶ根市南田にある、少し古めかしい二世帯住居の煙突に巣を作ったセグロアシナガバチの駆除に向かった。今回の依頼者は40代の女性で、未婚だということだった。二世帯住居ということで、家族の安全を考えて蜂の駆除を依頼してくれたのだろう。駆除に向かう日は細かな霧雨が降り、少し肌寒い日だった。日が落ちる直前の時間帯で、まるで蜂たちが焚き火でも囲んで家族団らんを楽しんでいるかのようだった。

セグロアシナガバチはその名の通り、腹部の黒い模様が特徴的で、巣作りの名人と言われている。彼らの巣は紙のような質感で、驚くほど精巧に作られている。とはいえ、今回の巣は大型のお皿ほどの大きさ、直径約30センチメートルということで、かなりの大作だった。このサイズともなると、巣に住む蜂たちもかなりの数にのぼっているはずだ。

僕が現場に駆けつけたのは、お客様の依頼から数時間後のこと。駆除作業は僕一人で行うことになった。巣の場所は煙突周辺で、まるで煙突に帽子をかぶせたような位置に蜂の巣が鎮座していた。恐らく煙突の温かさに惹かれて巣を作ったのだろう。セグロアシナガバチは比較的大人しいと言われているが、追い詰められると攻撃的になることもある。僕は慎重に作業を進めることにした。

駆除作業は約30分で終了。まずは煙突周辺をしっかりと確認し、逃げ道を塞いでから、蜂たちを追い出すことに成功した。巣を取り外す作業は少々緊張したが、無事に完了。巣を手に取ったときの軽やかな感触には毎回驚かされる。セグロアシナガバチの巣は軽量でありながら非常に頑丈なのだ。自然の力とは本当に不思議で、驚かされるばかりである。

駆除作業が終わった後、お客様に報告すると、彼女は少し不満げな様子。「コストパフォーマンスが悪い」とのことだった。確かに費用は1万円と少々お高めかもしれないが、安全を考えると決して高くはないと僕は思う。とはいえ、彼女の期待に完全に応えられなかったのは少し残念だ。次回はもう少し工夫して、満足度を上げられるよう努力しようと心に誓った。

今回の駆除作業は、少し肌寒い秋の日に行われた。霧雨の中での作業は、何とも詩的であり、不思議な体験だった。蜂たちもこの気候の中、どこかしら詩的な雰囲気を漂わせていたように思う。皆さんも秋の夜長に、蜂駆除の話を肴に一杯いかがだろうか。今回の経験が皆さまの記憶に残れば幸いです。