セイヨウミツバチ
セイヨウミツバチの巣駆除
サイクルポートの天井部分
11,000円
東京都日野市日野、その静かな街角に、セイヨウミツバチたちが自らの小さな王国を築いていました。彼らの選んだ場所は、サイクルポートの天井部分。少し前のこと、突風が吹き荒れる荒天の中、すっきりとした気温の正午頃に発見されたその巣は、まるで自然と人間の境界線を問いかけるかのように佇んでいました。座布団ほどのサイズで、幅約50cmのその巣には、働き者のミツバチたちがせっせと活動していたのです。
この日、巣の存在を知らせてきたのは、50代の未婚の女性でした。彼女はその異様な存在感に不安を感じ、私たちに連絡をくださいました。出動までに3時間強かかりましたが、到着した時には、彼女の顔からその不安がひしひしと伝わってきました。私一人で駆けつけたその場で、彼女に安心していただけるよう、迅速かつ丁寧に対応しなければと心を決めたのです。
セイヨウミツバチは、その名の通り西洋からやってきた蜜蜂です。彼らは非常に社会性が高く、女王蜂を中心に団結して行動します。巣の中では、働き蜂たちが花から集めた蜜を貯蔵し、豊かな自然の恵みを糧に生活しています。その忙しげな様子は、まるで小さな命のオーケストラのようで、見ているだけで心が洗われる思いがします。しかし、彼らが人間の生活圏に巣を作ると、時にその存在が不安の種となってしまうのです。
駆除作業は、彼らの活動を邪魔しないよう慎重に始めました。まずは防護服を身にまとい、彼らの動きを観察しながら、巣の周囲を静かに囲い込みました。セイヨウミツバチは攻撃性が低く、こちらから手を出さなければ向こうから襲ってくることは滅多にありません。それでも、彼らの小さな命を尊重しながら、できる限り安全に作業を進めることが求められます。
作業は1時間もかからずに終了しました。巣を取り除いた後の天井部分を丁寧に清掃し、二度と巣が作られないように防護措置を施しました。作業中、彼女は不安げに見守っていましたが、最後には安心した表情を浮かべ、安堵の笑みを私に見せてくれました。
駆除費用は11,000円。初めは高いと感じたかもしれませんが、彼女が「気になる点もあったが満足できた」とおっしゃってくださったことが何よりの報酬です。人と自然の共存は難しい課題ですが、こうした小さな調和を積み重ねることで、お互いがより良く生きる道を見つけられるのではないかと、改めて感じました。
この度の駆除作業が、彼女の平穏な暮らしに貢献できたのなら、そして、少しでも喜んでいただけたなら何よりです。