蜂の巣駆除コラム
アシナガバチの一種であるセグロアシナガバチは、非常に警戒心が強い危険な蜂です。巣に近づくと攻撃される可能性があるため、もし家の周辺でセグロアシナガバチの巣を見つけたら、なるべく早めに駆除しましょう。
今回はセグロアシナガバチの基礎知識や危険性、巣を作る場所、対処法についてまとめました。よく間違われるキアシナガバチとの違いや、自分で駆除する方法についても紹介します。セグロアシナガバチにお困りの方や、巣に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
目次

セグロアシナガバチとは、スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するアシナガバチの一種です。なお、「セグロアシナガバチ」は和名で、学名は「Polistes jokahamae」です。
セグロアシナガバチは北海道を除き、本州や四国、九州と広く分布しており、平地から低山地にかけて生息しているため、地方だけでなく都市部でもよく見かけます。
ここではセグロアシナガバチの見た目や生態、飛び方などの基本的な知識について説明します。

セグロアシナガバチは漢字で「背黒脚長蜂」と表記されるように、背中(胸部)が黒色をしているところが特徴です。
ただし、全身真っ黒というわけではなく、腹部には黄色い斑紋が広がっている他、足先も黄色またはオレンジ色をしています。背中の黒いとのコントラストがはっきりしていることから、外観はかなり目立つ部類に入るでしょう。なお、オスは顔がやや白っぽく、触覚の先端がメスより黒いため、よく観察すればオスとメスとを見分けられます。
体長は21~26ミリメートルと、数あるアシナガバチの中でも特に大きく、女王蜂は500円玉くらいのサイズです。体が大きいため、飛んでいるときは大きな羽音を立てます。その上、スズメバチと見た目が似ており、見間違うケースも少なくありません。実際にはセグロアシナガバチの方がスズメバチよりも体のサイズが大きいため、遭遇したときはその存在感に驚かされる方も多いでしょう。

セグロアシナガバチは他のアシナガバチと同じく、長い後ろ足をだらりと下げ、ゆっくり飛ぶのが特徴です。
前述の通り、セグロアシナガバチの見た目はスズメバチに似ています。しかし、スズメバチは足を垂らさず、かつ目標に向かって真っ直ぐ飛ぶ性質があります。セグロアシナガバチとスズメバチのどちらなのか迷ったときは、飛び方の違いに注目して見分けると良いでしょう。

セグロアシナガバチは昆虫を捕食する狩りバチの一種です。しかし、狩りの能力はあまり高くありません。狙うことが多いのは、毛虫やイモ虫などの動きが遅い昆虫です。
なお、昆虫は幼虫のエサとなる場合がほとんどで、成虫が捕まえた昆虫を肉団子にして食べます。一方の成虫は、幼虫が吐き出す分泌液を食べたり、花蜜や樹液、果物などを摂取して栄養を補います。また、栄養が足りない場合は昆虫を摂取することもあるようです。

セグロアシナガバチの活動時期は4月上旬~11月くらいまでで、上記のようなサイクルで活動しています。
女王蜂が巣作りや産卵をしている間や、旧女王蜂や働き蜂、オス蜂が全滅する越冬期は比較的危険性が低いといわれています。
一方、働き蜂が羽化し、新しい女王蜂が誕生して繁殖がピークを迎える時期は、働き蜂の活動が活発になります。巣やその周辺を飛び回る他、巣に近づくものに対する警戒心も高まるため、働き蜂や巣に近づくと攻撃される可能性があります。また、最盛期以外でも、巣分かれした女王蜂が干した洗濯物や布団に紛れこみ、知らずに室内に入れて刺されるという被害も報告されています。
なお、上記のサイクルはあくまでも目安です。気候や環境の変化によっては活動時期がずれ込むこともあります。「今は最盛期ではないはず」と油断して巣に近づくと、攻撃されるかもしれません。時期にかかわらず、セグロアシナガバチの巣には近づかないようにしましょう。

セグロアシナガバチは人や小動物を攻撃する側面があるため害虫とひとくくりにされがちです。しかし、実際は人の生活に有益な働きをもたらす益虫としての役割もあります。例えば、農作物や庭木に付いている毛虫やイモ虫といった害虫を補食したり、花粉を媒介したりするため、家庭菜園や農業の役に立つケースも少なくありません。
ただし、セグロアシナガバチの攻撃性が高まっている時期に近づくと刺されたり、追い回されたりするリスクがあります。生活圏で巣を作られた場合は放置せず、速やかに駆除した方が良いでしょう。

セグロアシナガバチは、同じアシナガバチ科であるキアシナガバチと大きさや見た目が似ており、しばしば混同されがちです。しかし、外観には細かな違いがある他、生息場所や巣の形状にも差があるため、注意して観察すれば両者を見分けられます。
ここではセグロアシナガバチとキアシナガバチの違いを3つのポイントに分けてまとめました。

セグロアシナガバチは胸部が真っ黒ですが、キアシナガバチは胸部後方に黄色の縦線が2本入っています。さらに、キアシナガバチの腹部上方にはアルファベットのWに似た黒い線が入っているのも大きな違いです。
また、セグロアシナガバチの触角は全体的に黄色っぽいですが、キアシナガバチは根元の部分が黒くなっています。全体の色もセグロアシナガバチの方が濃いため、二種を並べて比較すれば違いは明らかでしょう。
セグロアシナガバチの巣は伏せたお椀のような形をしていますが、キアシナガバチは横に平べったい形をしています。また、キアシナガバチの巣は他のアシナガバチの巣に比べると、六角形の巣房が整然と並んでいるのが特徴です。
このように巣の形状は異なりますが、営巣場所はほぼ共通しており、低地の木の枝や、人間の生活圏に近い場所に巣を作る傾向にあります。

セグロアシナガバチは平地の林縁や都心部などでよく見られるのに対し、キアシナガバチはどちらかというと山間部を中心に生息しています。
ただし、キアシナガバチも人の生活圏内に営巣することはあるため、山に近づかなければ大丈夫と油断するのは禁物です。逆に、セグロアシナガバチも低山地に出没することがあります。
アシナガバチの中でも、セグロアシナガバチとキアシナガバチは、どちらも危険性が高い部類に入ります。刺された場合は強い痛みを感じる上、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こして命が危険に及ぶ可能性もあります。
そのため、生活圏内でセグロアシナガバチやキアシナガバチを見かけたら、不用意に近づかないように注意しましょう。セグロアシナガバチの攻撃性や危険性については次章で詳しく説明します。

セグロアシナガバチが人間にとってどのくらい危険性の高い蜂なのか、詳しく説明します。
アシナガバチは一般的に攻撃性が低いものの、「手を出さなければ攻撃してこない」というイメージを持っている方は多いでしょう。
しかし、セグロアシナガバチはアシナガバチの中でも特に攻撃性が高く、巣に近づいただけでも襲われる恐れがあります。特に繁殖のピークを迎える7~9月は巣を守ろうとする本能的な面が強く現れやすいため、他の時期よりも危険性が高まる傾向にあるようです。
巣に近づくのはもちろん、何気ない日常の行動がきっかけで攻撃されることもあります。窓やドアを開け閉めするときや、物干し場で洗濯物を取り込むときなどは、近くに巣がないか、十分に注意しましょう。
なお、セグロアシナガバチの追跡距離はスズメバチよりは短いものの、数メートルは追ってくる可能性があります。飛ぶスピードは遅めですが、集団で攻撃を仕掛けてくる性質があるため、速やかに距離を取ることが大切です。
セグロアシナガバチは、アシナガバチの中でも毒性が強いです。刺されると強い痛みを感じるとともに、患部が大きく腫れたり、かゆみを生じたりすることがあります。
さらに、何度も刺された場合は強烈なアレルギー反応=アナフィラキシーショックを引き起こし、吐き気や倦怠感、発汗、めまい、呼吸困難などの全身症状が現れる場合があります。重症化すると意識障害や急激な血圧低下によって死に至るリスクもあるため、十分な注意が必要です。
刺されてから蜂毒の反応が出るまでの時間には個人差がありますが、多くの場合、被害に遭ってから30分以内に症状が現れ始めます。
毒が回る前に以下のような応急処置を行い、なるべく症状を食い止めましょう。
蜂毒は水溶性のため、刺された直後に流水で洗い流せば、毒をある程度落とせます。もしポイズンリムーバーがあるのなら、正しい使い方で毒を吸い出せば症状をかなり軽減できます。
症状が悪化しなければ、抗ヒスタミンやステロイド系の軟膏を塗ることで腫れやかゆみの緩和を期待できるでしょう。また、痛みがひどい場合は患部を冷やすのも有効な手段の一つです。
上記の応急処置で症状が治まった場合でも、念のため専門医の受診をおすすめします。痛みや腫れ、かゆみ症状の場合は皮膚科を、その他の全身症状が出ている場合はアレルギー科を受診し、適切な治療を受けましょう。
なお、アナフィラキシーショックが起こった場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。特にじんまんしんや激しい動悸、呼吸困難などの症状が出ている場合は命の危険性があるため、すぐに救急車を呼びましょう。

セグロアシナガバチは低山地から住宅街のある平地まで、さまざまな場所に巣を作る傾向にあります。比較的見つけやすい場所だけではなく、目に付かない閉鎖空間に作るケースも多いため、知らずに近づいてしまうケースも少なくありません。
特に繁殖期は働き蜂の攻撃性が高まる時期です。不用意に巣に近づかないよう、巣が作られやすい場所は事前にチェックしておきましょう。
ここでは、セグロアシナガバチが巣を作る主な場所を紹介します。
セグロアシナガバチは基本的に周囲がひらけた開放空間に巣を作ります。特に多く見られるのは、屋根の軒下やベランダ・バルコニーの床の裏(軒天)、庭木の枝などです。生け垣や草むらがある場合は、その中に巣を作る場合もあります。
開放空間に作られた巣は比較的目に付きやすく、巣が小さなうちに発見できるケースも多いです。蜂の駆除は巣が大きくなるほど手間と時間がかさむため、小さな巣を発見したら、それ以上拡大する前に早めに駆除することをおすすめします。
セグロアシナガバチは開放空間に巣を作りやすいと説明しましたが、閉鎖空間に営巣するケースもあります。具体的な場所としては、エアコンの室外機の中や、物置の内部、雨戸の戸袋、屋根裏などが挙げられます。
これらの場所は開放空間に作られた巣よりも人目に付きにくいです。そのため、発見が遅れやすく、気付いたときには巨大化していたという事例も少なくありません。また、ぱっと見ただけだと巣があるかどうか判断できず、不用意に近づいて攻撃されるリスクも高くなります。
「セグロアシナガバチをよく見かけるけれど、巣が見当たらない」という場合は、閉鎖空間に営巣されている可能性があるため、注意しましょう。
セグロアシナガバチが巣を作りやすい場所には、以下のような共通点があります。
つまり、上記のような条件を満たす場所であれば、前述した場所以外にも巣を作られる可能性があるということです。実際、屋外にある換気扇フードの内部や、太陽光パネルの下に巣を作られたケースもあります。
「こんなところにはいないだろう」と油断していたら、気付かないうちに巣を作っていた……というリスクもゼロではありません。気になる場合は、蜂の駆除を専門に行っている業者に相談するのがおすすめです。
セグロアシナガバチによる被害を防ぐには、巣を作らせないための対策を行うのが有効です。
具体的な対策として以下のような手段があります。
最も手頃な方法は、巣が作られやすい場所にあらかじめ蜂専用の殺虫剤を吹きかけておくことです。殺虫剤には蜂が忌避する成分が含まれているため、巣作りの時期に女王蜂を寄せ付けないようにする効果が期待できます。
家庭菜園やガーデニングをしていて、殺虫剤の影響が気になるという場合は木酢液で代用するという方法もあります。蜂は木酢液が発する独特のにおいを嫌う性質があり、巣を作られやすい場所にまんべんなく吹きかけておけば蜂対策に効果的です。
木酢液を使う場合は、木酢液と同量の水を混ぜた希釈液を作り、スプレーボトルなどに入れて噴霧します。なお、木酢液は酸性の性質があり、金属に吹きかけると変色やサビの原因になることがあるため、周辺に金属製のものがある場合は希釈濃度を薄めて使用した方が良いでしょう。
なお、殺虫剤・木酢液のどちらを使っても、時間が経過すると効果が薄れていきます。女王蜂が巣作りを始める時期(4月~5月頃)に合わせ、3~5月頃にかけて1~2週間に1回くらいのペースで殺虫剤、または木酢液を噴霧しましょう。
また、雨が降った場合は薬剤が流れるため、降雨後は前回からの経過日数にかかわらず、スプレーし直すのがおすすめです。
殺虫剤を使用できない、あるいは使用したくない場所には、防虫ネットや室外機カバーをかけて予防しましょう。例えばエアコンの室外機は、直接殺虫剤を吹きかけると内部の電装部分がショートして故障につながることから、室外機カバーをかぶせて対策するのがおすすめです。
なお、密閉性の高いカバーをかぶせると室外機の性能が低下する恐れがあるため、エアコン室外機専用のカバーを使用することが大切です。室外機以外の場所は、目の細かい防虫ネットを張り巡らせて、女王蜂の侵入を物理的に防ぎましょう。
アシナガバチは縄張り意識が強く、他の巣がある場所での巣作りは避ける傾向にあります。そのため、あらかじめダミーの巣を設置しておけば、巣作りの防止につながります。
ダミーの巣はインターネット通販などで購入できますが、自宅にある材料で簡単に手作りすることも可能です。準備するものは以下3つです。
新聞紙を丸めて球状にしたら、ガムテープやひもで形が崩れないよう成形します。成形し終えたら、丸めた新聞紙の上部にひもを付け、巣が作られやすい場所に吊るしておきましょう。
蜂トラップを設置し、巣作りされる前に女王蜂を捕まえる方法です。
蜂トラップは、ホームセンターやインターネット通販などで市販されていますが、自宅にあるもので手作りすることもできます。自作する場合に準備するものは、以下の通りです。
上記のものをそろえたら、以下の手順で蜂トラップを作成し、設置しましょう。
2では、上部の切り込みは外側、下部の切り込みは内側にそれぞれ折り込みます。互い違いに折ることで、女王蜂が入り込みやすく、かつ逃げにくい構造にするのがポイントです。誘引剤のレシピは他にもありますが、酢を混ぜるとミツバチを寄せ付けにくくなります。
なお、蜂トラップを仕掛けるのは3~5月までです。それ以降も引き続きトラップを仕掛け続けると、多数の働き蜂を誘引する恐れがあります。5月に入ったら、忘れずに回収しておきましょう。
セグロアシナガバチを見つけたら、姿勢を低くして、静かにその場から離れましょう。
知らない間に近づかれていた場合、驚いて手で振り払ったり、たたこうとしたりしがちですが、こちらから手を出すとかえって反撃される原因になります。周辺に巣があった場合は集団で襲われる可能性もあるため、慌てず冷静に行動することが大切です。
なお、家の周辺で頻繁にセグロアシナガバチを見かける場合は、近くに巣を作られている可能性があります。周辺をよく観察し、巣の有無を調べましょう。
ただし、巣を落としたり、むやみに殺虫剤をかけたりするのはNGです。巣があることを確認したら、なるべく早めに専門業者に依頼し、駆除してもらいましょう。自分で巣を探すのが怖い場合は、セグロアシナガバチを見かけた時点で業者に相談するのがおすすめです。

巣が小さい段階であれば、必要な準備を整えることで自分で駆除することも可能です。
自分で駆除するときは、まずは以下のものを用意しましょう。
蜂は黒と白しか認識できませんが、黒は敵とみなして攻撃してくる性質があります。そのため、駆除する際は帽子から服、靴に至るまで白を基調としたもので統一するのがおすすめです。
さらに、手には軍手、首元には白いタオルを巻き、肌の露出をできるだけ少なくしましょう。また、蜂の駆除は働き蜂の活動が鈍くなる日没後に行うのが基本です。懐中電灯を用意しておきましょう。なお、そのままの光を当てると蜂を刺激する恐れがあるため、照射部分にはあらかじめ赤いセロファンを貼り付けておきます。
準備が整ったら、巣の風上に立ち、巣に向けて殺虫剤を噴射します。噴射時間は殺虫剤のパッケージや本体に記載されているため、事前にチェックしておきましょう。
規定時間だけ噴射したら、そのまま翌朝まで放置し、同じ服装をした状態で巣や蜂の死がいを集め、ビニール袋に入れます。死んだ蜂には毒が残っているため、素手で触らないよう注意しましょう。
以上が駆除方法ですが、巣が大きい場合や、繁殖の最盛期は働き蜂の数や攻撃性が増しているため、駆除のリスクが高いです。無理に自分で駆除しようとすせず、専門業者に依頼することをおすすめします。
セグロアシナガバチはアシナガバチの中でも攻撃性や毒性が強く、うっかり巣に近づくと刺される危険性があります。巣も住居やその付近に作られるケースが多いため、もしセグロアシナガバチや、その巣を見つけたら早めに専門業者に駆除を依頼しましょう。
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