蜂の巣駆除コラム
日本には約4,300種類の蜂が生息しており、その中でも日常生活において存在感が強いのがミツバチ、アシナガバチ、スズメバチです。特にスズメバチは強い毒性の針を持っているため、刺されると命にかかわるリスクすらあります。そのため、自宅の近くに巣が形成されていると判明したら、早めに駆除しましょう。
本記事ではスズメバチの巣の駆除方法やポイント、注意点を解説します。
目次
スズメバチと一口に言ってもその種類はさまざまで、それぞれ特徴が異なります。ここでは種類ごとの特徴を解説します。
蜂の中でも特に凶暴な蜂です。働き蜂は27mmから40mmほど、女王蜂は45mmほどで、木の穴や土の中に巣を作ります。巣の大きさは直径1メートル以上になることもあります。
活動期間は主に5月から11月で、餌は基本的にコガネムシやカマキリなどの昆虫がメインです。しかし、獲物が少なくなると他の蜂を襲うこともあります。
キイロスズメバチは発色が良く小型で、働き蜂は17mmから24mm、女王蜂は25㎜前後です。オオスズメバチほど凶暴ではないものの、都市部で活動するため、被害がよく報告される蜂でもあります。
ハエやバッタを餌とし、直径が1メートルを超える大きな巣を住宅の屋根裏や床下などに作ります。活動する時期は一般的な蜂と同じく5月から11月です。なお、巣の中には数千の働き蜂が住んでいる可能性があるため、巣に近付くのは避けましょう。
多くの蜂は日中に活動しますが、モンスズメバチは23時ごろまで活動する夜行性です。体長は働き蜂で20mmから28㎜、女王蜂で30mmほどです。天井裏や木の穴などに作った巣を作り、引っ越しをする習性があります。5月から10月が主な活動期間です。
多くのスズメバチは体色が黄色と黒色なのに対して、チャイロスズメバチは名前のとおり、光沢のあるこげ茶色の体色が特徴で、5月から10月が活動期間です。大きさは働き蜂で17mmから24㎜、女王蜂で30mmほどです。
屋根裏や木の穴などに自力で巣を作ることができるものの、他の種の巣を乗っ取る習性も持ち合わせています。他の巣を乗っ取る習性から分かるとおり、攻撃的な蜂なので遭遇した際は注意しましょう。
ツマグロスズメバチは沖縄や宮古島といった国内の一部に生息していて、働き蜂で20mmから22mm、女王蜂で約28mmほどの大きさです。巣を林や軒下などに作り、その大きさは直径70cmほどにまでなります。
活動時期は長く、4月から12月までです。特に女王蜂は越冬をします。
他の蜂と同様、毒針は危険なものの、刺激しなければ向こうから攻撃を仕掛けてくる可能性は低いでしょう。
ツマアカスズメバチは本来、中国やタイなどに生息している種類です。日本では外来種として長崎県や福岡県、宮崎県などでの生息が観測されています。
働き蜂のサイズは20mmほど、女王蜂のサイズは30mmと他のスズメバチとは大きな差はないものの、作る巣の平均は直径50cmから70cmと大型です。巣は地中や低い位置に作られる傾向にあり、大規模な巣になると高い位置に作られます。
活動期間は5月から11月で、ミツバチを捕食したり敵を追いまわしたりと、凶暴な側面を持っている蜂です。
ヒメスズメバチは働き蜂、女王蜂いずれも24mmから37mmほどです。お尻の先端が黒くなっているため、他の種類と判別しやすいでしょう。
木の中や天井裏などに小さな巣を作る傾向にあります。また、他の種類と比べると温厚な性格であるとされています。しかし、針には毒性があるため、刺されないように刺激するのは控えましょう。
コガタスズメバチは都市部でも生息している蜂です。特徴的な巣作りをすることで知られており、初期はトックリをひっくり返したような形の巣ですが、徐々にボール状に整えられていきます。
名前はコガタとなっているものの、サイズは働き蜂で27mm、女王蜂で26mmほどとキイロスズメバチよりも大きくなります。
比較的温厚な性格で、活動期間は5月から11月です。しかし、夏を過ぎたあたりから生まれてくる女王蜂を守るために攻撃性が高まり、少しでも危険を感じると攻撃してくる場合もあります。
クロスズメバチは他の種類よりも小型で、働き蜂は10mmから15mm、女王蜂は15mm前後です。小型であるため、ハエやアブと見間違える可能性があります。ハエやアブは空中でホバリングできないのに対して、こちらはホバリング飛行が可能な点が、両者を見分けるポイントです。
クロスズメバチの活動期間は3月から12月で土や家の壁の中に巣を作ります。攻撃的ではないとされているものの、他の蜂と同様に毒針を持っているため不用意に刺激しないことが大切です。
スズメバチは蜂の中でも体長が大きい傾向にあります。同じく体長が大きい蜂として挙げられるのがアシナガバチです。両者には次のような違いがあります。
スズメバチ、アシナガバチはどちらも比較的大きな蜂であるものの、両者を比較すると前者のほうがさらに大きい傾向にあります。
体長だけでなく、体色からもどちらの蜂かを判別することが可能です。アシナガバチは全体的に黄色なのに対して、スズメバチは体がオレンジ、脚は黒のコントラストになっています。
また、アシナガバチはスリム、スズメバチは太めという体の厚みの違いも判断材料の一つです。
2種類の蜂は飛び方からも違いを見つけられます。アシナガバチは長い足をぶら下げて浮遊するように飛んでいきます。一方、スズメバチは直線的にスピーディに飛んでいくのが特徴です。
アシナガバチの場合、シャワーヘッドのような形の巣を作ります。大きさは150mmほどが一般的です。対してスズメバチは球体のような形の巣を作る傾向にあります。そのサイズもアシナガバチのものより大きく、800mmほどになるケースもあります。
スズメバチが巣を作る場所には傾向があります。先述のとおり、スズメバチの種類によって具体的にどこに作るのかは異なるものの、代表的な場所として以下が挙げられます。
家の中 | 屋根裏、天井裏、壁の隙間、窓枠、ベランダ、軒下 |
家の外 | 木の穴、地面の穴、草むら |
家の中に巣を作っているかどうかを確認するには、木材が傷ついていないかをチェックしましょう。特に木材にかじられた形跡が見られる場合は、家の中に蜂が入り込み巣が作られてしまっている恐れがあります。
他にも次のような条件の場所はスズメバチが好む傾向にあります。
食べ物を家の近くに放置しておくと、スズメバチを引き寄せてしまいます。特に、果物やペットフードなど、糖分やタンパク質を豊富に含む食べ物は蜂にとっても魅力的です。家の中に巣を作らせないためにも、家の外に食べ物を置きっぱなしにしないようにしましょう。
水飲み場が近くにある場合も、スズメバチが集まりやすくなります。例えば、庭に池がある家は注意が必要です。巣作りを防止するという観点から言えば、水を溜めない、定期的に水を抜いて綺麗にするといった対策が必要なケースもあるでしょう。
甘い香りを強く発する花は蜂にとって魅力的な存在です。そのため、香りの強い花に誘われて、集まった結果、近くに巣を作ってしまう恐れもあります。なお、花だけではなく、甘い香りがする香水も蜂を引き寄せるリスクがあるので注意が必要です。
巣を取り除こうとしても、どこに巣があるのか探し出す必要があります。巣を探すのであれば次のような方法を試してみましょう。
手早く巣を見つけ出せる可能性があるのが、飛んでいる蜂の後を追う方法です。巣に戻る蜂を追えばどこに巣があるのか確認できるかもしれません。ただ、距離が近すぎると蜂を刺激してしまい攻撃されるリスクがあります。また、巣に近付きすぎてしまった場合も同様に蜂の群れを刺激してしまう恐れがあります。慎重に距離を保ちつつ、巣を見つけたらすぐに避難しましょう。
スズメバチは閉鎖的な空間を好んで巣を作る傾向にあります。そのため、自宅の天井裏や換気ダクトの中などをチェックしてみましょう。また、自宅周辺の土の中や木の中にも巣を作っている可能性もあります。
働き蜂は、食べ物を探して常に飛び回っています。そのため、頻繁に蜂が出入りしている場所があれば、近くに巣が作られている可能性があるため、刺激しすぎないように注意しながら調べてみましょう。
巣を探そうとすると、スズメバチに遭遇する可能性があります。ケースごとにそれぞれ見ていきましょう。
屋外で飛んでいるスズメバチに遭遇した場合、ゆっくりとその場から離れることが大切です。
また、スズメバチの視野は狭く、真下方向は特に見えにくいとされています。そのため、できるかぎり姿勢を低く保つと刺されるリスクを抑えることができます。
ただし、刺されそうになった場合に備えて、首回りや頭をハンカチや上着などでカバーしながら移動するようにしましょう。
スズメバチの巣を見つけた場合、10mほどの距離をとってそれ以上近付かないことが大切です。スズメバチは一般的に巣を中心に10m先までを警戒する傾向にあります。さらに、もし巣に近付いた者を敵と認識した場合、40mほど追跡してくることもあります。
そのため、巣から警戒されない距離を維持して、静かに立ち去るようにしましょう。
網戸や窓が開いているとスズメバチが室内に入り込んでくる可能性があります。室内に入り込んだ場合、しゃがんで静かにその場から離れましょう。慌てて行動すると蜂を刺激しかねないため、あくまで静かに行動することが大切です。
また、退治しようと殺虫剤を吹きつけると刺激してしまい、反撃される恐れがあります。そのため、網戸や窓を開けて蜂自ら外に出ていくように促しましょう。
スズメバチを刺激すると攻撃される可能性があります。そのため、次のような危険行為は避けましょう。
目の前にスズメバチが現れたら、びっくりしてつい大声を出してしまうかもしれません。しかし、それは危険です。スズメバチは大きな音に敏感で、こちら側に危害を加える意図がなくとも、危険を感じて攻撃してくる恐れがあります。
大声に加えて、スズメバチは大きな動きにも敏感です。手や棒で払おうとする行動も蜂を刺激する恐れがあります。また、一目散に逃げようとする動きも、蜂を刺激する要因になりかねません。
スズメバチは黒い服を身に着けている人を攻撃するとされています。黒に反応するのは次のような理由が関係していると考えられています。
黒い服を身に着けていると襲われるからといって、白い服を着れば刺されないというわけではありません。黒よりも狙われにくいとは考えられているものの、白い服を着ていても蜂を刺激すると攻撃される恐れがあります。
スズメバチに狙われないような服を選ぶ際は色だけでなくデザインも注意しましょう。リボンのようにヒラヒラと動く物は蜂を刺激する可能性があります。スカートも同様に刺激する要因になりかねないため、蜂がいるような場所には着ていかないようにしましょう。
先述のとおり、スズメバチは強い香りに反応するという特徴があります。そのため、香水や整髪料、柔軟剤などの強い香りに反応して攻撃してくることが考えられます。また、汗のニオイにも反応するため、こまめに汗を拭くことも大切です。
また、汗と同様に注意すべきなのが制汗剤の使用です。香りがついている制汗剤は、かえってスズメバチを呼び寄せかねません。無香料の制汗剤を使用しましょう。
スズメバチの巣を駆除する方法は主に次のとおりです。
それぞれメリット、デメリットがあるため、巣を取り除く前に把握しておきましょう。
自力でスズメバチの巣を駆除するメリットは費用が抑えられるという点です。巣を取り除くのに必要な道具が揃っているのであれば、費用をかけずに処分できるでしょう。
一方、ゼロから道具を集める場合は、結局費用がかさんでしまいます。自治体によっては駆除に必要な防護服を貸し出してくれるケースもあるため、問い合わせてみましょう。
一軒家だけでなく、マンションやアパートといった集合住宅にも巣が作られる可能性はあります。集合住宅に巣が作られた場合、どこにあるのか、どのような契約内容なのかによって、駆除の責任者が異なります。
例えば、エントランスのように全ての入居者が利用する場所に巣ができているのであれば、管理会社などが責任を持って駆除するのが一般的です。一方、部屋のベランダといったように、特定の入居者だけが使う場所に作られた巣は該当の入居者が駆除することが多いようです。
契約内容によっては管理会社に費用の一部を負担してもらえるケースもあるため、事前に契約内容を把握しておきましょう。
自力でスズメバチの巣を駆除するデメリットは次のとおりです。
自力で巣を駆除しようとすると、反撃を受けて刺される恐れがあります。特にスズメバチは毒性の高い針を持っているため、刺されると命にかかわるリスクにつながってしまいます。
繰り返し刺されたり集団で襲われたりすると、後述するアナフィラキシーショックにもつながるため大変危険です。
スズメバチに刺されてしまうとアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。蜂に刺されたことで亡くなってしまう方は毎年一定数おり、このように蜂に刺されて亡くなってしまうのはアナフィラキシーショックが一つの要因と考えられています。
なお、アナフィラキシーショックとは、蜂に刺された人体が毒に反応して過剰に反応してしまう状態です。過剰反応が重度に至ると命にかかわります。
一度スズメバチに刺されたからといっても、必ずしもアナフィラキシーショックが起こるわけではなく、症状の発生には個人差があります。しかし、多くの場合、1回目から短期間のうちに2回目を刺されたことで引き起こされる可能性が高いです。そのため、すでに一度に刺されている方は注意しましょう。具体的には、一度刺されてから1、2年は特に注意が必要とされています。その後、5年、10年と経過するとアレルギー症状が出づらくなるようです。
厚生労働省の発表によれば、次のとおり毎年平均15名が蜂による被害で亡くなっています。[注1]
年度 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 |
死亡者数 | 19 | 13 | 12 | 11 | 13 | 15 | 20 |
年度 | 死亡者数(人) |
平成28年 | 19 |
平成29年 | 13 |
平成30年 | 12 |
令和元年 | 11 |
令和2年 | 13 |
令和3年 | 15 |
令和4年 | 20 |
特に令和4年には20名が蜂に刺されて亡くなってしまいました。アナフィラキシーショックは、必ずしも蜂の毒だけで引き起こされるわけではありませんが、蜂の毒によるアナフィラキシーショックは短時間で発症してしまう傾向にあります。
[注1]厚生労働省「蜂刺されによる労働災害を防止しましょう」
https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/content/contents/hachi-rousaiboushi20240611-komoro.pdf
スズメバチの巣を駆除する際にケガしてしまうのは、刺されるケースだけではありません。高所から転落するリスクもあります。
高所に作られた巣を駆除するときは脚立などを使用して作業することが多く、足場が不安定なケースが多いです。作業に集中していると思わぬアクシデントに見舞われ、大きなケガにつながる恐れもあるでしょう。
スズメバチの巣の駆除に取り掛かっても、必ず成功するとは限りません。特に自力で駆除する場合、駆除しきれないリスクがあります。
例えば、一度駆除した巣があった場所に蜂が戻ってくる「戻り蜂」がその例です。もし女王蜂が生き残っていた場合、戻り蜂対策を怠ってしまっていたがために、再び巣が形成されてしまうこともあります。自力で駆除するならこのような蜂の習性についても十分に理解したうえで対策を行う必要があります。
専門業者へ依頼するメリットは次のとおりです。
専門業者へスズメバチの巣の駆除を依頼した場合、自分が襲われるリスクがありません。自力で駆除するとなると、さまざまなアイテムで防護対策を講じても刺されるリスクはゼロにはなりません。刺される心配をせずに問題を解決するためにも、専門業者へ依頼しましょう。
スズメバチの巣を駆除するには専門的な知識が必要です。専門業者であれば、深い知識を持っているため、スムーズな駆除が期待できます。また、巣の駆除に失敗するリスクも軽減できるでしょう。
すでに説明したように、巣を駆除したとしても、再び蜂が戻ってくる可能性があります。戻り蜂を防止するためにも、専門業者に適切なアフターフォローを講じてもらいましょう。
専門業者に依頼する場合、次のようなデメリットも把握しておきましょう。
蜂の巣の駆除を専門業者に依頼した場合、一定の費用が必要です。特にスズメバチは凶暴性が高いため、他の蜂の巣駆除よりも駆除費用がかさんでしまう傾向にあります。さらに、巣の数や巣ができている場所によっても費用は高くなるのが一般的です。
蜂の巣の駆除を担っている業者はいくつもあります。中には悪質な業者も存在していて、このような業者に依頼してしまった場合、さまざまな金銭的リスクにつながりかねません。例えば、不要な作業費を請求してくる、料金を水増しして請求してくる、ずさんな駆除をするなどの手口が挙げられます。
自治体によってはスズメバチの巣の駆除に対応しています。自治体へ依頼するメリットは次のとおりです。
自治体へ依頼するメリットの一つが、駆除費用を抑えられるという点です。特にスズメバチの巣の駆除を専門業者に依頼した場合、費用がかさみがちです。費用を抑えるという観点で見れば、自治体への依頼を検討するのも一つの方法と言えるでしょう。
巣を見つけたら、どのように対処すればよいか迷ってしまう方もいるでしょう。自治体であればさまざまなアドバイスをしてくれます。自治体によっては地域に対応している駆除業者を紹介してくれるケースもあります。
補助金を活用できるというのも自治体へ依頼するメリットです。駆除にかかった費用のうち、上限金額を定めて補助金を出している自治体もあります。自治体によって補助金額や条件が異なるため、どのような制度を設けているかを確認しておきましょう。
自治体へ依頼するデメリットは次のとおりです。
全ての自治体で駆除に対応しているわけではありません。そもそも巣の駆除に対応していないケースもあれば、私有地での駆除には対応していないケースもあります。まずは住んでいる自治体が巣の駆除に対応しているかを確認しましょう。
自治体に駆除を依頼する場合、さまざまな手続きが必要です。例えば巣が作られている場所が自治体の条件に合致しているかの確認や必要書類の提出などが求められます。中にはこのような手続きに負担を感じてしまう方もいるでしょう。
スズメバチは日常生活に危険を及ぼすため、巣が近くにあるならすぐに駆除すべきです。しかし、一般的に自治体の窓口は平日9時から17時のため、仕事などで多忙な方はすぐに依頼するのが難しいでしょう。
自力で駆除できるものの、次のようなグッズを用意しておく必要があります。
自力でスズメバチを駆除する際は防護服が欠かせません。毒性が強い針を持っているため専門的な防護服を用意しましょう。専門的な防護服を用意するとなると、10万円近くかかってしまいます。先述のとおり、防護服を貸し出してくれる自治体もあるため、役所に確認してみましょう。
防護服が用意できないのであれば、長袖長ズボンを着たうえで、レインコートを着用します。その後、次のような手順で進めていきましょう。
なお、軍手で手を覆う際は2枚重ねて着用しましょう。1枚では毒針が貫通して刺されてしまう恐れがあります。
自力で巣を駆除するには殺虫剤も欠かせません。殺虫剤を選ぶ際は距離を取って吹きかけられるスプレータイプの殺虫剤がおすすめです。
殺虫剤にはさまざまな種類があります。スズメバチに対して使用するのであれば、ピレスロイド系の成分が含まれているものを選びましょう。ピレスロイド系であれば蜂専用の殺虫剤でなくとも一定の効果が期待できます。
ノコギリや枝切りバサミもスズメバチの巣の駆除で用いる道具です。ノコギリや枝切りバサミで切り落とすことで、綺麗に巣を駆除可能です。蜂がいなくなったからといって巣を放置したままでいると、先述の戻り蜂発生につながりかねません。
巣を切り取ったらビニール袋に詰め込みましょう。しかし、巣に蜂がいる場合、薄手のビニール袋では食い破られてしまう可能性があります。スズメバチは強力な毒針ばかりが危険視されますが、噛む力にも注意が必要です。巣を包みこむ際は、厚手のビニール袋を使用しましょう。
スズメバチは日中活動する生き物です。活動時間中に駆除しようとすると刺激してしまい攻撃されかねません。夜間に作業を進めるにあたっては懐中電灯を用意しておきましょう。注意すべきなのが光の加減です。通常の懐中電灯では蜂を刺激する恐れがあります。通常の明かりではなく、蜂が識別しにくい赤色のライトを用いるなど、蜂を刺激しないように工夫しましょう。
万一、刺されてしまったときのために、救急用具を携帯しておきましょう。救急用具には毒吸引器や抗ヒスタミン軟膏を入れておきます。毒吸引機で毒を絞り出した後に、患部を流水で流して抗ヒスタミン軟膏を塗っておきます。
また、アナフィラキシーショックのリスクがある方は応急処置できるように、自己注射器を備えておくのもポイントです。なお、自己注射器は事前に登録医師の診察と処方が必要です。
自力でスズメバチを駆除する際は次のような手順で進めていきましょう。
自力でスズメバチを駆除する際は刺されないようにするための下準備が大切です。防護服を着用したり、すでに説明したように軍手を2枚重ねて履いたりするなど、毒針が刺さる余地をなるべく減らしましょう。また、衣服に隙間があると蜂が入り込んでしまう可能性があるので、気になる部分にガムテープを何重にも巻くことで侵入を防止することも有効です。
刺されないように準備したら殺虫剤を繰り返し噴射します。殺虫剤を吹きかけるにあたっては、風上からそっと巣に近付きましょう。近付くといっても、巣から2mほどの距離までにとどめましょう。過度に近付いてしまうと刺されるリスクが高まります。
噴射する時間は10分から15分ほどが目安です。蜂が出てこないようになったら、さらに数十秒ほど吹きかけましょう。なお、巣の周囲に蜂がいるのであれば、先に噴射して駆除することがポイントです。
スズメバチが周囲にいなくなったことを確認したら、巣を根元から切り落として、ビニール袋に入れます。なお、巣の中に潜んでいる可能性があるため、穴に脱脂綿を詰めておくことがポイントです。
地面に落ちた死骸や巣の破片はホウキで集めましょう。死んでいるように見えても、弱ってから10時間ほどは毒針を出す可能性があります。そのため、手で直接触らないことが大切です。
スズメバチによっては土の中に巣を作るケースがあります。オオスズメバチはその代表例です。土の中に巣を作っているのであれば、次のような方法で駆除しましょう。
土の中にできた巣を駆除するには、どこに巣穴があるのかを確認する必要があります。巣を見つけた場合、近付くとしても2、3mまでに留めておきましょう。
また、夜間に巣を探すときは、神経質になっている蜂が地面のわずかな振動で飛び出してくる恐れがあるので注意しましょう。
土の中にある巣を駆除するのであれば、くん煙式殺虫剤を活用するのがおすすめです。くん煙式殺虫剤を棒にくくり付け、巣穴に差し込みます。
ただ、くん煙式殺虫剤の効果はそれほど長続きしないため、翌日も穴の中で焚くか、噴射式の殺虫剤を吹きかけましょう。
くん煙式殺虫剤で蜂を除去したら、巣を閉じる必要があります。具体的には入り口に100mmほどの砂をかけて覆いましょう。さらに、周辺に200mmから300mmほどの高さの砂をかけておくことで、蜂が再び活発に動き回るのを防ぐことが可能です。
巣を取り除く際は、スコップで掘り起こしましょう。深さによっては数mも掘る必要があります。個人で掘り起こすのが難しいと判断したら、専門家に依頼することも検討しましょう。
スズメバチの巣を自力で駆除する際は次のような点に注意しましょう。
スズメバチの巣を駆除する際は日中の作業は避けましょう。多くの種類が夜行性ではなく昼行性であるため、日中に活動します。日中に巣を駆除しようとすると、活発な蜂をさらに刺激してしまい、攻撃される恐れがあります。
スズメバチの巣を駆除するのであれば、日中の作業を避けて夜間に実行するのがおすすめです。ただし、モンスズメバチは23時ごろまで活動する夜行性のため、夜間であっても巣の駆除で刺激してしまう恐れがある点には注意しましょう。
スズメバチの巣のサイズはさまざまです。一見それほどのサイズには見えなくても実は非常に大きく、中に大量の蜂が潜んでいる可能性もあります。特に大型の巣になると、中に数千匹もの蜂がいることが考えられます。このような巣を自力で駆除しようとするのは、刺されるリスクが高く危険です。
手に負えないほど大きな巣だと判明したら自力で駆除するのはなるべく避けて、知識と技術を持つ専門業者に依頼しましょう。
スズメバチの巣を自力で駆除する場合、刺されてしまった場合のことも想定しておきましょう。万一の場合の対処法は次の流れです。
刺されたことで次のような症状が出たのであれば、すぐに病院を受診することが大切です。
なお、蜂に刺された際に尿やアンモニア水をかけると効果があるという意見も見られますが、これらの行為によって、かぶれや細菌感染など別のリスクが生じるため、避けましょう。
スズメバチの巣を駆除するのであれば、どこに巣があるのかを把握しておくことが大切です。巣が特定できていないにもかかわらず駆除をしようとしても、当然、十分な効果は得られません。
それどころからむやみに噴射した殺虫剤でスズメバチを刺激してしまい、攻撃される恐れすらあります。巣がどこにあるのか分からないのであれば、無理に駆除しようとせず、専門家に依頼しましょう。
スズメバチの巣を駆除するうえでは、活動が活発になる時期を把握しておくことが大切です。
一般的にスズメバチは7月末から9月中が活発的に活動する時期です。この時期は巣が大きくなりはじめるタイミングで、幼虫やサナギも増えはじめます。さらに、新たに女王蜂が誕生するのもこの時期です。蜂たちは女王蜂を守ろうと神経質になっているため、より攻撃されるリスクが高まります。
スズメバチの巣の駆除業者を選ぶ際は次のようなポイントを押さえておきましょう。
スズメバチの巣の駆除を業者に依頼するのであれば、対応エリアを確認しましょう。対応エリアに該当するかどうかは、業者のホームぺージから確認可能です。また、「〇〇(自治体名) スズメバチ駆除」と検索することで、自分が住んでいる地域に対応している業者を把握することもできます。
スズメバチの巣の駆除には一定の費用が必要です。費用は巣の大きさや数、作られた場所、さらには業者によって異なります。そのため、依頼を検討している業者の場合どれくらいの費用が発生するかを確認しましょう。
具体的な費用相場を確認する効果的な方法として挙げられるのが、複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりです。相見積もりを取ることで、依頼する駆除作業にかかる費用の一般的な相場はどの程度かを知ることができます。
なお、相見積もりを依頼する際は次のようなポイントを押さえておきましょう。
各業者に見積もりを依頼する際は条件を揃えることがポイントです。同じ条件で見積もりを依頼しなければ、正確な相場が判断できません。
複数の業者から見積もりを取るのであれば、相見積もりであることを伝えるのもポイントです。他の業者へも見積もりを依頼していることを伝えることで、見積額の調整などが期待できます。
費用相場を把握するだけでなく、料金体系が分かりやすいかどうかも業者選定のポイントです。
巣を駆除する費用は出張費用、作業費用で構成されているのが一般的です。しかし、必ずしも出張費用や作業費用と掲載されているわけではありません。業者によってはどのような費用なのか、内訳が分からないプランが存在している可能性があります。
また、料金体系が曖昧な業者の場合、悪徳業者の恐れもあります。そのため、料金体系が分かりやすいかどうか、明確かどうかをホームページなどで確認しておきましょう。
業者によっては大幅な値引きをしているケースがあります。しかし大幅な値引きをしている業者の場合、悪質な業者の可能性があるので注意しましょう。例えば、大幅値引きしている旨をホームページに掲載していても、小さな文字で「巣の状態によっては値引き対象にならない可能性があります」と抜け道を用意していることがあります。
過度に値引きをしている業者と同じく、過度な成功率を謳っている業者も、同様に悪質業者の可能性があるので注意が必要です。専門業者は蜂の巣駆除のプロであり、一般的に、自力で駆除しようとするより依頼したほうが成功率は高いです。しかし、さまざまな条件によっては1回の駆除で成功しないこともあります。それにもかかわらず「成功率100%」といったように銘打っている業者への依頼するのは避けたほうがよいでしょう。
業者を選ぶ際は口コミを確認しましょう。駆除にどれくらいの費用が発生するのかは見積もりから把握可能です。
また、費用と同じく大切なのが、サービスのクオリティや応対の良さです。しかし、見積もりからはどのようなサービスを提供するのか、どのような応対なのかは判断できません。そこで役立つのが口コミです。口コミを確認して、適切なクオリティのサービスを提供しているのか、親身になって対応してくれるのかを判断しましょう。
口コミだけでなく、過去の実績も確認してみましょう。巣ができている場所は軒下や屋根裏、土の中などさまざまです。過去の実績が豊富な業者であれば、さまざまな場所に作られた巣の駆除に対応可能です。
アフターフォローがあるかどうかもポイントです。先述のとおり、巣を駆除しても戻り蜂が訪れる可能性があるため、作業後も対応してくれる業者を選びましょう。
アフターフォローの内容は業者によって異なります。例えば作業から1週間であればアフターフォローしてくれる業者もあれば、作業と同じ年内であれば無料で対応してくれる業者もあります。
スズメバチの巣を駆除するのであれば「蜂の巣駆除PRO」に相談してみましょう。「蜂の巣駆除PRO」は365日、駆除に対応しています。幅広いエリアに対応していて、対応エリアであれば最短30分以内での駆除も可能です。そのため、すぐにでも巣を駆除してほしいという依頼もできます。
駆除に対応するスタッフはさまざまな蜂の駆除方法に精通しています。蜂の種類や巣が作られた場所など、状況に応じた適切な提案が期待できるでしょう。
「蜂の巣駆除PRO」に依頼する際は最初に問い合わせをします。その後、専門的な知識を持つスタッフが現場を訪問し、見積もりを提案する流れです。見積もり提案、作業内容の説明までは無料で対応しています。なお、高所に巣が作られていて、高所作業車が必要なケースでは見積もりが有料になる可能性もあるので注意しましょう。
「蜂の巣駆除PRO」は現金支払いはもちろん、さまざまな支払い方法に対応しています。各種クレジットカードによる支払いだけでなく、コンビニエンスストアでの支払い、アプリでの支払いも可能です。支払い方法が豊富なため、自分の希望に沿った方法で料金を支払えます。
「蜂の巣駆除PRO」では無料で相談に対応してくれます。蜂の巣ができているが種類が分からない、すぐに駆除すべきか知りたいといったさまざまな疑問に対応しているため、蜂の巣について少しでも気になることがあれば相談してみましょう。
スズメバチにはさまざまな種類があり、中には凶暴で強い毒性を持った蜂もいます。巣が作られてしまった場合、依頼費用を抑えるために自力で駆除することも不可能ではありませんが、作業中に刺されてしまうリスクがあります。場合によってはアナフィラキシーショックによって命にかかわる事態に陥る危険性もあるでしょう。
また、自力で解決するのが難しければ、自治体へも駆除を依頼することも可能です。しかし、全ての自治体が駆除に対応しているわけではなく、もし対応している自治体であっても、平日に仕事に出掛けている方にとっては時間的な都合により依頼することが難しいケースも多いでしょう。
安全かつ迅速にスズメバチの巣を駆除するのであれば、専門業者に依頼するのがおすすめです。特に「蜂の巣駆除PRO」は専門的な知識を持つスタッフが、状況に応じた方法で駆除方法を提案してくれます。対応エリアであれば最短30分での駆除が完了です。スズメバチの巣にお悩みの方はぜひご相談ください。