セグロアシナガバチ
セグロアシナガバチの巣駆除
玄関のひさし
30,000円
僕たちは、しっとりとした気温の中、長野県駒ヶ根市北町へと急行した。午後も終わりに近づき、柔らかな日差しが差し込むこの時間帯、玄関のひさしに潜むセグロアシナガバチの巣が、ひっそりとその存在を主張していた。発見したのは若い女性、20代の既婚者で、小さな子供たちと共にこの家に暮らしているという。彼女の声には、蜂たちへの恐れと子供たちを守りたいという強い願いが込められていた。
セグロアシナガバチ。彼らはその名の通り、黒い背中を持ち、足が長い特長を持つ蜂だ。アシナガバチの仲間の中でも比較的攻撃性が低いとされるものの、その巣に近づく者には容赦ない。彼らの巣は、まるで自然の芸術品のように美しく、しかも精巧に作られている。バスケットボールほどの大きさに成長したその巣は、直径30cmにも及び、蜂たちの営巣の技術の高さを物語っていた。
到着までの1時間弱、彼女はどれほどの不安を抱えていたのだろう。僕たち作業員2人は、その不安を取り除くべく、迅速かつ丁寧に駆除作業に取り掛かった。防護服を身にまとい、まるで戦士のような気持ちで玄関先に立つ。夕方の日差しを浴び、巣の影が壁に映し出される様は、どこか神秘的でもあった。
駆除作業は約30分。最初は蜂たちの警戒心を和らげるため、静かに巣に近づき、特殊なスプレーを使って巣内の活動を抑える。そして、巣を取り外す際の緊張感は、何度経験しても慣れることはない。巣を取り除く瞬間、蜂たちは最後の抵抗を見せるが、僕たちは確実に、そして慎重に作業を進めていく。蜂たちの動きが止まると、まるで一つの舞台が幕を閉じるかのように、静寂が訪れた。
彼女は、子供たちとともに少し離れた場所からその様子を見守っていた。駆除が完了したと告げると、彼女の顔には安堵の笑みが浮かんだ。子供たちも、もう怖がることはない。僕たちの手によるこの30分の作業が、彼らの日常を取り戻す手助けとなったのだ。
費用は30000円。彼女はその額を「値段相応」として受け入れてくれた。何よりも、彼女の満足そうな表情が僕たちにとって何よりの報酬だった。セグロアシナガバチにまつわるこの物語は、一つの終わりを迎え、新たな日常が始まる。
また同じようなことがあれば、次回もぜひお声がけください。僕たちはいつでも、あなたの安心のために駆けつけます。