蜂の巣駆除コラム

ツマアカスズメバチとは、中国南部や東南アジアなどを原産とする外来のスズメバチで、日本では特定外来生物に指定されています。全体的に黒っぽく、腹部の先端がオレンジ色に見えるのが特徴です。
ミツバチを捕食することによる養蜂業への被害や、人が刺される危険があるため、見つけた場合は近づいたり刺激したりしないことが大切です。
この記事では、ツマアカスズメバチの特徴や巣の見分け方、想定される被害、見つけたときの対処法を解説します。
この記事で分かること
目次

ツマアカスズメバチは、日本にもともと広く生息していたハチではなく、海外から入り込んだ外来のスズメバチです。生態系や養蜂業、人への刺傷被害に影響を及ぼすおそれがあるため、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されています。
特定外来生物とは、海外由来の生物のうち、生態系、人の生命や身体、農林水産業へ被害を及ぼす、またはそのおそれがあるものとして指定された生物のことです。指定された生物は、飼育、保管、運搬、放出などに制限があります。
ツマアカスズメバチは、単に「珍しいハチ」ではありません。国内で定着や拡散が進むと、在来昆虫やミツバチへの影響が広がる可能性があるため、見つけた場合は慎重に扱う必要があります。

ツマアカスズメバチは、中国南部、台湾、東南アジアなどを原産とする外来のスズメバチです。日本では2012年に長崎県対馬市で初めて確認され、その後、対馬で定着が確認されました。九州本土や中国地方でも個体や巣の確認例がありますが、確認された地域すべてで定着しているわけではありません。
特定外来生物に指定されている理由は、生態系や養蜂業、人への被害が懸念されているためです。特に、ミツバチを捕食することで養蜂業や農業に影響を及ぼす可能性があります。また、スズメバチの仲間であるため毒針を持ち、巣に近づいたり刺激したりすると刺される危険もあります。
外来種は、もともとの生態系になかった生物が入り込むことで、在来の昆虫や農業、生活環境に影響を与えるおそれがあります。そのため、ツマアカスズメバチは早期発見と早期防除が重視されており、見慣れないスズメバチを見つけた場合は自治体や専門機関に相談することが大切です。

ツマアカスズメバチの特徴は、全体的に黒っぽい体、腹部の先端のオレンジ色、脚の先端の黄色です。基本的な情報を、以下にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 分類 | スズメバチ科のスズメバチの仲間 |
| 体長 | 20〜30mm前後 |
| 体の特徴 | 全体的に黒っぽく、腹部の先端がオレンジ色に見える体色 |
| 分布 | 中国南部、台湾、東南アジアなど。日本では長崎県対馬市など |
| 見られやすい場所 | 樹木の高い位置、茂み、人工物の中、ミツバチの巣箱の周辺 |
| 成虫の食べ物 | 花の蜜、樹液、果汁など |
| 幼虫の食べ物 | ミツバチ、ハエ、トンボ、チョウの幼虫などの昆虫など |
見た目の特徴を知っておくと、在来のスズメバチとの違いに気づきやすくなります。ただし、ハチの種類を一般の人が正確に判断するのは簡単ではありません。似た色や大きさのスズメバチもいるため、見分けようとして近づくのは避けるべきです。写真を撮る場合も、十分に離れた場所から安全を確保したうえで行ってください。

ツマアカスズメバチは、在来のスズメバチと比べると黒っぽい印象が強いハチです。名前の「ツマアカ」は、腹部の端が赤みを帯びて見えることに由来します。
オオスズメバチのように黄色や茶色の印象が強い種類とは、体色の雰囲気が異なります。ただし、実際には光の当たり方や距離によって見え方が変わります。色だけで断定せず、特徴が似ている場合は「ツマアカスズメバチの可能性がある」と考えて対応するのが安全です。
ツマアカスズメバチかどうか分からない場合は、自己判断で断定しないことが大切です。スズメバチ類は種類によって見た目が似ており、巣の場所や時期によっても印象が変わります。
誤って別のハチと判断すると、対応を誤る可能性があります。例えば、危険性が低いと思って近づいた結果、巣を刺激して刺されるケースも考えられます。反対に、特定外来生物の可能性がある個体を見逃すと、早期防除の機会を逃すおそれもあります。
安全な距離から発見場所、巣の位置、ハチの出入りの様子を確認し、必要に応じて写真を残す程度にとどめましょう。近づいて撮影したり、捕まえたりする必要はありません。

ツマアカスズメバチの巣は、高い木の上など人の目線から見つけにくい場所に作られることが多いです。特に巣が大きくなる時期は働きバチの数も増えるため、巣を見つけても近づいたり、棒でつついたりしないよう注意が必要です。
スズメバチの巣は、種類や成長段階によって見た目が変わります。ツマアカスズメバチの巣も、初期段階では小さく目立ちにくく、成長すると球状から楕円形の大きな巣になります。ただし、巣の形や場所だけで種類を正確に判断するのは難しいため、ツマアカスズメバチの可能性がある場合は、無理に確認しようとせず安全な距離を取ることが大切です。
ツマアカスズメバチは、樹木の高い位置に巣を作ることが多いとされています。地上から見上げても枝葉に隠れて気づきにくく、巣が大きくなってから初めて発見されるケースもあります。
巣が作られる可能性がある場所としては、公園や山林の木、住宅地周辺の庭木、道路沿いの樹木などが考えられます。人の生活圏に近い場所でも、木の高い位置にあると普段の目線では見落としやすくなります。
ただし、巣を確認しようとして木の下まで近づくのは危険です。巣の周辺では働きバチが出入りしていることがあり、近づいた人を刺激と判断して攻撃する可能性があります。高い場所に大きな巣のようなものを見つけた場合は、無理に近づかず、離れた場所から位置や状況を確認する程度にとどめましょう。
ツマアカスズメバチの巣は、成長すると大きな球状から楕円形に見えることがあります。外側は紙のような外皮に覆われ、一般的なスズメバチの巣に近い見た目になります。
ただし、巣の大きさや形だけでツマアカスズメバチと断定することはできません。スズメバチの巣は、種類や作られた場所、成長段階によって形が異なります。遠くから見ると、キイロスズメバチやコガタスズメバチなど、ほかのスズメバチの巣と見分けがつきにくい場合もあります。
特に高所にある大きな巣は、自力での確認や駆除を避けるべきです。はしごを使って近づいたり、長い棒で刺激したりすると、ハチに刺されるだけでなく転落する危険もあります。巣が大きい、ハチの出入りが多い、人が通る場所に近いといった場合は、自治体や専門業者に相談することを優先してください。
春から初夏にかけて作られる初期の巣は小さく、見つけにくいのが特徴です。巣がまだ小さい段階では働きバチの数も少ないため、ハチの出入りに気づきにくいことがあります。
初期段階では、高い木の上だけでなく、比較的低い場所に巣が作られる場合もあります。庭木の中、植え込み、建物周辺の目立ちにくい場所などで、同じ場所にハチが何度も出入りしている場合は注意が必要です。

ツマアカスズメバチの被害は、人が刺される危険だけではありません。ミツバチを捕食することによる養蜂業への影響、在来昆虫への影響、生活圏での営巣による不安など、複数の面から注意が必要です。
一方で、見つけたからといって必ずすぐに襲ってくるわけではありません。スズメバチは巣を守るために攻撃することが多いため、近づかない、刺激しない、駆除しようとしないことが被害を避ける基本になります。
ツマアカスズメバチはスズメバチの仲間であり、毒針を持っています。刺されると、強い痛み、腫れ、赤み、かゆみなどが出ることがあります。
特に注意したいのは、ハチ毒によるアレルギー反応です。体質によっては、息苦しさ、めまい、吐き気、全身のじんましん、意識がぼんやりするなどの症状が出る場合があります。
刺された直後は、まず巣から離れて安全な場所へ移動してください。痛みや腫れが強い場合、複数箇所を刺された場合、過去にハチ刺されで体調が悪くなったことがある場合は、医療機関へ相談しましょう。
ツマアカスズメバチの被害として大きく懸念されているのが、ミツバチの捕食です。ミツバチの巣箱の近くで待ち伏せし、巣に戻ってくるミツバチを捕らえることがあります。
ミツバチは、はちみつの生産だけでなく、果樹や野菜などの受粉にも関わる昆虫です。そのため、ミツバチへの被害が広がると、養蜂業だけでなく農作物の生産にも影響が及ぶ可能性があります。
また、ツマアカスズメバチはミツバチ以外の昆虫も捕食します。人への危険だけでなく、農林水産業や生態系への影響が問題視されている点を理解しておきましょう。
ツマアカスズメバチは、巣を守るために攻撃することがあります。巣に近づく、巣を揺らす、叩く、殺虫剤をむやみにかけるといった行為は、ハチを刺激する原因になります。
特に巣が大きくなる時期は、働きバチの数も増えます。巣の外に見えているハチが少なくても、内部に多くの個体がいる可能性があります。刺激した結果、複数のハチに刺される危険も考えられます。
黒い服、強い香り、大きな振動なども、スズメバチを刺激する要因になることがあります。巣を見つけたら距離を取り、刺激しないことを最優先にしてください。

ツマアカスズメバチらしきハチや巣を見つけたら、近づかず、刺激せず、自治体や専門機関に相談することが基本です。
特定外来生物の可能性があるため、通常のハチ駆除と同じ感覚で捕まえたり、巣を移動させたりするのは避ける必要があります。安全を確保しながら、発見場所や状況を正しく伝えましょう。
ハチや巣を見つけたら、最初に距離を取ってください。巣に近づく、石を投げる、棒でつつく、水をかけるといった行為は危険です。
殺虫剤を不用意に使うことも避けましょう。薬剤が十分に届かず、かえってハチを刺激してしまう場合があります。
子どもやペットが近づける場所に巣がある場合は、周囲に近づかないよう伝えることも必要です。無理に追い払うより、接触する機会を減らすほうが安全です。
相談する際は、発見場所や状況を具体的に伝えられると対応が進めやすくなります。住所や目印、巣がある高さ、周辺環境、ハチの出入りの多さを確認しておきましょう。
写真を撮る場合は、安全な距離からにしてください。近づいて接写する必要はありません。スマートフォンのズーム機能などを使い、離れた場所から撮影できる範囲にとどめます。
記録しておきたい内容は、発見した場所、巣の高さ、周辺に人通りがあるか、ハチの出入りが多いか、住宅や通学路に近いかなどです。

ツマアカスズメバチの可能性がある場合は、自治体や環境省の地方環境事務所などの窓口へ相談してください。地域によって通報先や対応方針が異なるため、住んでいる自治体の案内を確認することが基本です。
特定外来生物は、生きたまま持ち運んだり、別の場所へ放したりすることが規制されています。興味本位で捕まえる、容器に入れて移動する、巣を別の場所へ運ぶといった行為は避けましょう。
生活圏に近い巣や、ハチの出入りが多い巣であれば、ハチ駆除業者への相談も選択肢になります。

ツマアカスズメバチの巣は、基本的に自力駆除を避けるべきです。特定外来生物であること、高所に巣を作ること、刺される危険があることから、専門機関や業者への相談を前提に考えましょう。
市販の殺虫剤で対応できそうに見えても、巣の中には多くのハチがいる可能性があります。巣を刺激すると一斉に飛び出すおそれがあるため、防護服や専用道具なしでの作業は危険です。
高い木の上に巣がある場合、自力で駆除しようとすると転落リスクがあります。脚立やはしご、長い棒を使って近づく作業は、ハチの攻撃を受けたときに体勢を崩しやすく危険です。
巣に近づくと、ハチが攻撃してくる可能性があります。特に巣が大きくなっている場合は、働きバチの数も増えていると考えられます。
防護服や専用道具なしでの作業は避けてください。高所の巣を見つけた場合は、無理に近づかず、自治体や専門業者へ相談する流れにしましょう。

ツマアカスズメバチは特定外来生物に指定されているため、扱いには注意が必要です。特定外来生物は、飼育、保管、運搬、放出などが原則として規制されています。
そのため、生きたまま捕まえて移動させる、別の場所へ放すといった行為は避けなければなりません。通常のハチ駆除と同じ感覚で対応すると、法令上の問題や被害拡大につながる可能性があります。
ツマアカスズメバチの巣を見つけた場合でも、駆除の緊急性や対応方法は状況によって異なります。住宅や庭、通学路など生活動線に近い巣は、刺される危険が高いため早めの相談が必要です。
人の出入りが多い公園、駐車場、施設周辺なども注意が必要です。一方で、山林や高所など人が近づきにくい場所では、自治体や専門機関の判断が必要になる場合もあります。
「見つけたら即自力駆除」ではなく、「安全な距離から確認して相談」が基本です。

生活圏に近い場所で巣を見つけた場合や、ハチの出入りが多い場合は、無理せず専門業者への相談を検討しましょう。
ハチ駆除業者であれば、巣の場所や大きさ、ハチの種類、周囲の状況を確認したうえで対応方法を判断できます。危険な巣は無理に触らず相談することが安全につながります。
住宅の庭、玄関付近、ベランダ、駐車場、通学路の近くに巣がある場合は、早めに相談したほうが安全です。人が日常的に通る場所では、意図せず巣に近づいてしまう可能性があります。
子どもや高齢者、ペットがいる環境では、巣に気づかず接近するリスクもあります。巣が高い位置にあっても、下を人が通る場所であれば注意が必要です。
放置すると巣が大きくなり、働きバチの数が増える可能性があります。生活動線の近くに巣がある場合は、早めに自治体や専門業者に相談しましょう。
ハチの出入りが多い巣や、大きく成長した巣は、自力で対応しないでください。働きバチが増えると、巣を刺激したときの危険性も高まります。
巣の外に見えているハチは一部にすぎません。内部には働きバチや幼虫がいるため、外から見た印象だけで安全性を判断するのは困難です。
巣が大きいほど自力対応は難しくなります。出入りが多い巣は刺激せず、駆除が必要かどうかも含めて専門業者に確認してもらいましょう。
ハチの種類が分からない場合も、専門業者に相談する意味があります。ツマアカスズメバチ以外のスズメバチである可能性もあり、種類によって危険度や対応方法が変わります。
自己判断で駆除方法を決めると、かえって危険な状況を招くことがあります。特に巣が高所にある場合や、人の生活圏に近い場合は、種類が分からないまま近づかないことが大切です。
写真がある場合は、相談時に見せると参考になります。ただし、判別のために無理に撮影する必要はありません。

ツマアカスズメバチに刺された場合は、安全な場所へ離れ、患部を冷やし、症状が強い場合は医療機関を受診してください。
特に息苦しさ、めまい、吐き気、全身のじんましんなどがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。様子を見るのではなく、救急対応を検討する必要があります。
刺された場所が巣の近くであれば、その場にとどまらず、まず安全な場所へ移動してください。巣の近くにいると、さらに刺される危険があります。
手でハチを払ったり、大声を出したり、巣に向かって殺虫剤を使ったりする行為は避けましょう。ハチを刺激すると、ほかの個体が攻撃してくる可能性があります。
複数回刺される危険を避けるためにも、最初に行うべきことは安全確保です。
安全な場所へ移動したら、刺された部分を流水で洗い、清潔にします。その後、保冷剤や冷たいタオルで患部を冷やしてください。冷やすことで、痛みや腫れを和らげる助けになります。患部を強く揉んだり、口で毒を吸い出したりする民間療法は避けましょう。皮膚を傷つけたり、口の中の傷から毒が入ったりするおそれがあります。
痛み、腫れ、かゆみの程度を確認し、症状が強い場合や刺された箇所が複数ある場合は医療機関へ相談してください。
刺された後に、息苦しさ、めまい、吐き気、動悸、全身のじんましん、意識がぼんやりするなどの症状が出た場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
このような症状は、刺された場所の腫れだけでは済まない危険なサインです。迷わず救急要請、または医療機関への受診を検討してください。
過去にハチに刺されて強い症状が出た人は、特に注意が必要です。刺された直後は軽く見えても、あとから体調が変化することがあります。
ツマアカスズメバチは、特定外来生物に指定されている外来のスズメバチです。黒っぽい体と腹部先端の赤褐色が特徴ですが、一般の人が正確に見分けるのは難しい場合があります。
巣は高所に作られることが多く、近づくと刺される危険があります。巣が大きくなるほど働きバチの数も増えるため、見つけても自力で駆除しようとしないことが大切です。
発見した場合は、巣やハチを刺激せず、発見場所や状況を記録し、自治体や専門業者に相談してください。生活圏に近い巣や大きな巣は、無理に対応せず安全を優先しましょう。